白以外の背景紙を使った商品撮影
最近「薄いグレーの背景紙を使って撮影してほしい」と言われる事が続きました
ライトグレーの背景紙を使って撮影することは背景紙を交換すればいいだけなので簡単なのですが・・
「それが本当にクライアントが求めている写真になるのか?」と思ってしまいます
私が気になっているのは・・
- ライトグレーの背景用紙を使って撮影してほしいのか
- 背景が薄いグレーになっている写真を希望しているのか
この2つです
言い換えれば「背景紙を変えて撮影するだけでいいのか」と「背景が指定された背景紙の色になっている写真を納品してほしいのか」ということになるのですが、この2つ同じに聞こえるかもしれませんが撮影側としては全くちがうものなのです
グレーの背景紙
さて、この写真ですが背景紙はグレーを使っているのではなく白を使って撮影をしています
撮影のご依頼をいただく際にクライアントの希望を知るために参考写真や目標にしているネットショップ・ECを見せてもらいます
「薄いグレーの背景紙を使って撮影してほしい」というクライアントから参考写真として送られてくるのはこの写真のように白背景紙で撮影されているものがほとんどでした
商品によって背景の明るさが変わる
この2つの商品、商品の明るさは適切なのですが背景の明るさが違いますよね?
白Tシャツは少し濃い目のグレー、ネイビーのシャツはかなり薄いグレーになっています
明るい色の商品を撮影したライティングで暗い色の商品を撮影してしまうと商品は暗くなってしまいます
逆に暗い色の商品を撮影したライティングで明るい色の商品を撮影すると明るくなりすぎるわけです
ライトで背景の明るさを調整する
そこで背景の明るさを調整するライトを使います
左右で明るさが変わるのでライトを左右に1灯以上置いて調節することになります
ただこの方法では背景の明るさを完全に一致させようとすると、商品によってメインライトと背景に当てているライトの調整が必須になります
私の料金プランではそこまで細かく調整するような価格設定になっていません、したがって背景の明るさは商品の色によってマチマチになります
- 背景用ライトが増えることで機材コストが上がる
- より広い撮影スペースが必要になる
- ライトの調整が細かくなることで作業時間が増える
背景の明るさを完全に一致させるためには上記3つが必要になります
背景色・明るさを完全一致させたい
背景の明るさを完全一致するために必要な3つのことを知っていただいた上で
それでも「背景色・明るさを完全に一致させたい」という方には以下2つをご提案します
- 指定の背景紙で撮影しライティングで細かい微調整をする
- 切り抜き処理で対応する
1つ目はさきほど説明させていただいたライティングで調整するということです
2つ目に関しては通常切り抜き処理は背景色を白で納品していますが、それを任意の色にするというものです
切り抜き処理で背景色をグレーにしたり青にしたりというのは手間がかからないので、通常の切り抜き処理と同じ料金でおうけできます
つまり1カット100円でおうけできるということです
ライティングで細かい調整をする場合は通常よりも多く時間がかかるので金額は高くしないわけにはいきません・・ですので基本的には切り抜き処理をオススメします
(詳しい金額は詳細をお聞きしその都度見積もりでご提案させていただきます)
切り抜き処理しか選択肢がないことも
さきほどのトルソー撮影では背景にライトを当てることで調整することができましたが、それができない事もあります
例えばアパレル商品の平置き撮影です
背景に商品がくっついてしまうと基本的には背景だけにライトをあてることができません
したがって切り抜き処理しか選択肢がなくなります
こちらが切り抜き処理をほどこしたときに背景をグレー(RGB220)にしたものです
背景の色は青でもピンクでも問題有りません、ご希望の色にできます
ただ「商品が浮いている感じがして違和感がある・・」という方には影イキの切り抜き処理をご提案します
こちらがグレー背景の影イキの切り抜き処理です
背景の色・明るさを完全に一致させることができるうえで、影が残っていることで違和感が和らぎます
影イキの切り抜き処理は通常よりも手間がかかっていますので少し料金が高くなりますのでお気をつけください
商品撮影の料金説明「撮影料金が安い3つの理由」
〆
というわけで白以外の背景紙を使った商品撮影について説明させていただきましたがいかがでしたでしょうか
私達のような商品撮影を生業としているものからすると薄いグレーと言われると「白で撮ってるんじゃないかな?」と思うことが多いのです
そして薄いグレーだけでなく背景の色や明るさを完全に統一するということは案外大変だ、ということをご理解いただけたのではないでしょうか
切り抜き後の背景にグラデーションを使ったり別撮りした背景を使ったりとか、色々できることはありますので「こういう写真撮れるかな?」というかたは気軽に相談してください!