写り込みを制してワンランク上の商品写真「あえて写り込みをつくる!」

写り込みを制してワンランク上の商品写真「あえて写り込みをつくる!」

以前「プロにはプロの技術がある。切抜き用の撮影テク「黒締め」とは?」というエントリの後半でテプラの液晶画面にケーブルが写り込んでいるのを「手抜き」と紹介しましたが、今回はその写り込みについてお話したいと思います。

液晶部分の写り込み

↑これですw

商品の素材によってこういう不要なものをが写ってしまう事があるわけですが。
勿論プロカメラマンにはそういう写り込みに対応する撮影方法・テクニックがあります。

小さい液晶部分以外にも、時計やアクセサリー等の宝飾品、そして瓶やグラス等のガラス類。
そして鏡等の全体が反射し色んな物が写り込んでしまうようなものなどにとっては、とても重要な技術です。
というか、プロにとってはマナーとも言えるかもしれませんね。

こういう商品の撮影方法については一般のかたには敷居が高いのか、イマイチな商品写真をよく見かけます。
なので、プロとしてはこういう商品の撮影で他のショップと差をつけてワンランク上のショップを目指して欲しいんです。

実際、宝飾品に関しては高級感が全く違います。
せめて写り込まないような撮影方法だけでも覚えて頂きたい所ですw

不要なものが写り込んでしまう事を避けるためには

写り込みをさせない為には2種類の方法があります。
写り込みを「避ける」か「あえて写り込ませる」か、です。

避けるに関しては単純に写らないような角度で撮影をしてあげる、という事です。

鏡を例にとって考えるとわかりやすいでしょう。

真正面では自分が写り込んでしまいます、これを回避する事は不可能なので自分が写らないような角度で撮影します。
これで写り込みを「避ける」事ができます。

ただし、避けるだけでは不十分な事も多いのです。

写り込みを作る

鏡の撮影、ライトが写り込んでしまった場合

先ほど例にあげた鏡ですが、よく反射します。
何しろ正面にあるものを映すために作られたものなので当たり前ですねw

なので自分が写り込む事を避けたとしても、そのまま気にせず撮影すればこのようにライト自体が写ったり、部屋が写り込んでしまうわけです。
(この写真はわざわざライトを写る位置に置きましたw)

では、どうすればいいかというと「あえて写り込ませる」わけです。

 

余談ですが汚い鏡で申し訳ございません!w
何分撮影用に鏡以外の部分は黒パーマセルで覆ってあるので見た目がとってもダサいです・・。

白を写り込ませる

鏡に白を写り込ませた場合

具体的には、カメラから見て鏡に白い紙等(この場合は白レフ)を写り込む場所においてあげます。
鏡よりも大きいものを使うことで鏡の内部全体に白が写り込みます。

こうすると邪魔なものは写り込むことが無くなりましたね。

でも、真っ白になってしまっているので鏡を写真で表現するにはイマイチかもしれません。
商品名などがなかったらわからないかもしれないですよね。

グラデーションを写り込ませる

鏡にグラデーションを写り込ませた場合

さて、そんな時は白ではなくグラデーションを写り込ませる事で鏡を表現します。

具体的にはライトの前に光を透過するような素材のものを置く事です。
トレーシングペーパー等が一般のかたには想像しやすいのではないでしょうか。

まぁ、プロとしてはトレペでは紙の目が写り込んでしまうのでポリエステルで出来ているアートレとか呼ばれるものを使う事が多いですね。
グラデーションが綺麗に作れるわけです。

今回使った鏡は結構小さいものだったのでグラデーションがちょっとわかりづらいかもしれませんね。
全身を映せるような姿見だと、真ん中から外側に向かうようなグラデーションとかも出来るのですが小さいとなかなか難しいですね。

アートレはライトの前に置くだけではグラデーションにならないのでちょっとしたコツが必要なのですが、意外と慣れるとそんなに難しい事ではありません。

これが写り込みが出来てしまう商品の撮影方法の基本ですね。
反射する商品を撮影する時はこの基本を使い、避けたり写り込ませたりを要所要所で使い分けたり同時に使ったりします。

こういうグラデーションを作る手間があるので大抵、宝飾品等の写り込みが激しい商品については撮影料金が少々お高めになっているというわけです。

周りを白いもので囲ってしまえば写り込みをほぼ無くすことが可能ではあります。
ですがその商品の形状や素材を表現するのには不十分なんですね、鏡の撮影例を見るとわかっていただけるのではないでしょうか?

まぁ、時計やアクセサリー等の宝飾品は形状が複雑なのでこんなに簡単にはいかないんですけどね・・。

なかなか大変なんですけど、 商品撮影の醍醐味って感じでもあるので楽しいのですw

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