プロにはプロの技術がある。切抜き用の撮影テク「黒締め」とは?
一昨日は「fashionremake FAM(ブランド名変更に伴いURLが変更になりました 「Chicolatte」)」さんの小物・雑貨類の新製品を撮影させていただきました。
例年はカットソー等が多かったのですが、今回はクラッチバッグや携帯ケース・ポーチ等の雑貨・小物系の商品達を撮影。
廃材や残丹、古着を使用し全商品リメイクで製作されているFAMさん。
小物たちは特にその個性が現れる気がしますねー。
今回納品した写真がショップに並んだらまた紹介したいと思います!
近日にカタログ撮影もあるので、そちらはカタログが出来上がって来た時にでもまた紹介しようかな~。
ちなみにFAMさんは去年からカタログやネットショップ(EC)用の撮影をさせていただいているのですが、今回は「切抜き作業」もやらせていただく事になりました。
丁度いい機会なので画像加工の「切抜き作業」について触れてみたいと思います。
切抜き作業は必要なのか?
さて。
切抜き作業というと「商品意外の部分を完全な白の状態にする」わけですが、必要でしょうか?
元々白い紙の上に置いて撮影をするのに、なぜわざわざ切り抜くのか?
それは商品によって「背景の明るさ・濃さが変わってしまうから」です。
写真を交え簡単に説明しますと。
写真左のような、黒い(濃い色の)商品は明るめに撮影をするので自ずと白い背景は真っ白になります。
(切り抜いてはいないので左側に向けてグレーのグラデーションになっています)
反対に写真右のような、白い(薄い色の)商品を撮影する時はただの「白」になってしまわないように、若干暗めに撮影します。
その結果、背景と商品の差が出にくくなって全体的に暗めの印象に・・。
その上白い紙よりも商品のほうがより白い場合も多く、背景が暗くなる事はとても多いのです。
商品の一覧表示ページに切抜きしていない写真が紛れ込むと・・・
この写真のように、商品の一覧ページのような「写真を並べて表示するページ」になると切抜きしていない写真はかなり目立ってしまいます。
「一枚だけ素人っぽい写真混ざってない?」なんて思われそう・・・。
切抜き作業は「商品売るのに絶対に必要」という作業ではないかもしれませんが、商品がより綺麗に見えます。
もう一度言います、商品がより綺麗に見えるのですw
※ちなみに全てFAMさんの商品達です、興味をお持ちの方は是非ショップ「fashionremake FAM」(ブランド名変更にともないURLが変わりました「Chicolatte」)へ~。
プロによる切抜き用の撮影テクニック「黒締め」とは
じゃあ早速この写真を切抜きをしてみよう!
と、思ったのですが商品の右側が背景に溶け込んでしまうほど白くなってしまいました。
切り抜けないわけではないのですが、これでは切り抜いたところで質感・形が伝わりづらくメリハリのない写真になってしまいます・・・。
こういう時にプロカメラマンはどうするかというと・・・「黒締め」をして商品の質感や形を写真に写しこみます。
黒締めのやり方
右上が白く溶けてしまった原因は、背景の白紙の反射が商品に写り込んでいるからです。
つまりは背景が白いと駄目なわけですね。
(わ、わかりにくいかな・・・?)
なので背景にかぶらないように黒い紙を置き、黒を写り込ませてあげます。
これが「黒締め」と言われる商品撮影のテクニックです。
ちなみに全ての商品でやる必要はなく、商品の生地や色によってはあまり効果がない場合もあります。
その上やり過ぎるとわざと臭くなってしまう事があるので、きちんと考えて使います。
今回は上と右を黒締めする事にしました。
それ以外の部分は影が落ちているので不要と判断。
実際に切り抜いてみる&撮影風景
実際に切り抜いた状態(左)と撮影風景(右)です。
ライトは商品上から「トレペ越しの傘バン」と右側「トレペ越しの直うち」。
比率的には右側を半段弱くしています。
役割は上からの光で全体を照らし、右上からちょっと強めの光で光の方向性を作っています。
なので左下に影が落ちています。
ちなみに液晶画面にカメラから伸びたコードが写っていますが、おわかりでしょうか。
これ、手抜きの証ですw
仕事ではきちんとやりますが、どういう所で手抜きを見分けられるかの参考としてあえて残してみました。
〆
年明けからうちのサイトを見てくれている方が一気に増えまして、倍くらいになりました。
理由はイマイチ謎ですが・・そのおかげか問合せをいただける回数も少しずつ増えてきそうです。
うちのサイトの特性か新規オープンのネットショップを撮影させていただく事が多く、7割といったところ。
「後は写真を用意するだけ」というネットショップ。
「まだショップ全体の雰囲気も決まっていない」というネットショップ。
新規オープンのネットショップに携わらせて頂く場合は商品撮影の方法や詳細の提案など、やることも多く大変なのですが、やりがいがあり楽しいですね。
今年はまた新しいクライアント様に出会うと思います。
そういう時の為により知識と技術を身に着けて頑張りたいと思います。
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