プロカメラマンが教える商品撮影「ストロボとカメラの使い方」


プロカメラマンが教えるストロボの使い方

プロカメラマンが教える商品撮影、第三回目はストロボを使った商品撮影の具体的なやり方を取り上げます。

カメラの一般的な使い方というよりもストロボ撮影の為に必要な設定や使い方をとりあげたいと思います。

目次

  1. カメラの基本操作
    とりあえずこれだけは覚えておきたい
  2. ストロボの使い方
    2.1 ストロボの機能とスイッチ
    2.2 発光管とモデリングランプ
  3. ストロボ撮影におけるカメラの使い方
    3.1 シンクロコードで接続する
    3.2 無線ラジオスレーブで同調させる
    3.3 カメラ側の設定
    3.4 レンズの焦点距離
  4. カメラとストロボの基準を作ろう
    4.1 明るさの基準を作る
  5. 明るさの調整をしてみる
    5.1 まずはストロボから
    5.2 カメラが後回しな理由

プロカメラマンが教える商品撮影 まとめページ
プロカメラマンが教える商品撮影シリーズのまとめページはこちら

カメラの基本操作

カメラの使い方は色々と解説されているサイトが沢山あるのでそちらを見て覚えてください。
図解で説明しているサイトを見つけられるとわかりやすいかもしれません。
こんなのとか(http://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/04/02.html)

カメラ雑誌はわかりやすくまとめられているので1年間通して読んでいると自然に理解できます。
基本操作をまとめられているムックも販売されているので手っ取り早く覚えるならそういう雑誌も良いと思います。

正直なところ文章でまとめるのはかなり面倒な部分です、口で説明する分にはよいのですが・・・w


こういうカメラの活用ガイドのようなムックはカメラごとの使い方の他に写真撮影の基本も載っているので一冊持っていると参考になるかと思います。

とりあえずこれだけは覚えておきたい

簡単に必要な部分をあげると

  • 明るさは「シャッタースピード・絞り・ISO感度」を調節することで操る
  • 広角で撮影すると商品が歪んで写るので中望遠以上で撮影するのを「基本」とする
  • ピントの合っている範囲が広く撮影したいので絞って撮影
  • ISO感度は高くすると画質が悪くなるのでできるだけ小さく、でも場合によっては大きくするのである程度限界を知っておく
  • ホワイトバランスをあわせる

このくらい理解できれば十分です。
「おしゃれな写真の撮り方」や「カメラ女子の教科書」「かっこい写真のレシピ」的な本はまずは不要です、カメラの基本操作を覚えましょう。

ストロボの使い方

今回はモノブロックストロボというタイプのものを使います。
発光する部分と電気を溜める部分(ジェネレータ)が一体型になったもので小型で扱いやすいものとなります。(しかも安価)

発光部・ジェネレータが別々になっているものは大容量で大きな光を生み出しますがデジタルカメラになってからは光量は少なくても十分撮影が可能です。

ストロボの機能とスイッチ

YosukeSuzuki. www.capricious.info

使い方は普通の家電と同じです、コンセントに繋ぎスイッチを入れます。

①はメインスイッチでストロボの電源を入れるスイッチです、②はモデリングランプのスイッチになります。(モデリングランプについては後で説明)

③はセンサースイッチ、こちらは複数のストロボを使う時にONにするものです。
ストロボを1つ発光させるとセンサースイッチがONになっているストロボも同調して発光するようになります。

④はサウンドスイッチ、ストロボは発光後に1秒程度電気をチャージする必要があります。
チャージ中、もしくはチャージが終わったことを知らせる音を鳴らすスイッチです。

⑤調光ボリューム、光の強さを調整します。
1/16が最小、FULL(1/1)が最大を示しています。
最近はもっと小さい出力にできるものが増えています。

⑥シンクロコンセント、シンクロコードを指すコンセントです。
カメラとシンクロコードをつなげることで発光をコントロールします。

⑦はテスト発光用のスイッチです。

基本どのメーカーのものを購入してもこのくらいはついているはずです。
他詳しくは各々の説明書をご覧ください。

発光管とモデリングランプ

ストロボ 発光管とモデリングランプ

ストロボは通常二種類の光を発します。
矢印部分が定常光のモデリングランプで外側の円形になっている部分がストロボの発光管です。

瞬間光は一瞬の光なので通常はどう光が当たっているのかがわかりません。
ですのでモデリングランプという補助光がついておりまして、モデリングランプを使うことである程度どういう光が当たっているのかがわかります。

ストロボ撮影におけるカメラの使い方

ストロボはカメラのシャッターを切った際に同調(シンクロ)して発光するようにしなくてはなりません。
その方法は2つあります。

シンクロコードで接続する

カメラとストロボを繋げる

まずひとつ目は有線でつなげる方法です。
シンクロコードというものをカメラに繋げます。

カメラによってはシンクロコードを指すシンクロターミナルがあるのでその部分に差し込みます。
ない場合はホットシューという部分にホットシューアダプタを指すことでシンクロコードを差し込むことができます。

シンクロコードはモノブロックストロボを購入する際についてくるので、こちらの方法が一番安上がりな方法になります。

無線ラジオスレーブで同調させる

ラジオスレーブ

シンクロコードでカメラとストロボを繋げておくのは面倒なのでラジオスレーブを使って無線で発光させます。
カメラ側につける送信部とストロボ側につける受信部が必要となります。

カメラ側はホットシューがあれば大抵つけられます。
受信部はコードの種類を間違えると使えないことがあるので注意してください。
といっても変換アダプタで対応できることがほとんどですが。

複数の撮影チームがある場合は受信部はストロボの数だけ、送信部はカメラの数だけ必要になります。

カメラ側の設定

カメラの設定窓

カメラ側の設定はほぼ変えません。

  • シャッタースピード 1/125
  • 絞り f8~16
  • ISO感度 100 (一番小さく)

項目ごとに少しだけ説明をします。

シャッタースピードに関しては遅くすると蛍光灯などの明かりを拾うことになり良くありません。
だからといって速すぎるとストロボと同調しないので1/125を基準にします。

絞りはピントが合う範囲を広くしたいので絞って撮影をします。(数字をより大きく)
絞りすぎると解像度が著しく低下していまうのでf8~16程度までにしましょう。(回折現象)

感度については一番小さくすると画質が良いのでそうします。
場合によりけり感度を上げることもありますがいつも同じ環境で撮影することを前提としていますのでまず動かすことはありません。

以上をカメラに設定し撮影をします。
明るさに関してはストロボのほうで調整を行います。

レンズの焦点距離

カメラの焦点距離

レンズの焦点距離は短いほど広い範囲を撮影し(広角)、長いほど狭い範囲を撮影(望遠)できます。
広角レンズは広い範囲を写すことができますが歪みが強いので商品の形を正しく伝えたいような商品撮影の場合はあまり使いません。(平置き撮影のときとかには使います)

Nikon 「焦点距離と画角」
http://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/19/01.html

具体的には50~80mmを使うことが良いでしょう。
50mmくらいでは案外歪みが強いのですが商品からあまりにも遠ざかってしまうと効率が悪くなるのでこのくらいが無難だと思います。

カメラとストロボの基準を作ろう

撮影風景

カメラとストロボ商品を配置してみました。
ここでまず考えてほしいのは作業がしやすい距離を保つことです。

あまりに狭いと撮影効率はかなり落ちます。

カメラはレンズの焦点距離のことを考えると遠いところから撮影(長い焦点距離)するほうが良いのですがあまりにも遠いとこれまた撮影効率は落ちます。
このバランスを商品や撮影ブースの広さを考慮し考えます。

とりあえず70mmくらいを基準に商品とカメラの距離を決めます。

明るさの基準を作る

それでは明るさの基準をつくりましょう。

撮影する商品は黒・白を避けグレーくらいが良いと思いますが自社商品で一番多い色でも問題ありません。
黒いバッグがほとんどならそれを使いましょう。

カメラの設定を「シャッタースピード1/125・絞りf11・ISO100」に設定。
ストロボの設定は「左右ともに1/8」で撮影してみます。

調整前

暗い。
明るくします。

調整後

ストロボの出力は「左が1/2・右が1/4」に上げました。
とりあえずこんなもんで良いとしましょう。

一番重要なのはストロボやカメラの設定を限界値にしないことです。
基準として撮影した商品よりも明るい色の商品や暗い色の商品など色々と存在しますので明るくもできるし暗くもできるような設定にしておくと便利です。

明るさの調整をしてみる

先程作った基準をもとにもっと明るい色の商品を撮影してみましょう。

白い商品明るいカット

まぁ明るすぎますね、明るい部分が真っ白になっています。
ここから明るさを調整していきましょう。

以下の設定を調整することで明るさを変えることができます。

  1. ストロボの出力
  2. ストロボと商品の距離
  3. カメラの絞り(f値)
  4. カメラのISO感度

いずれでも明るさの調整は可能ですが優先順位があります。
上のリストは優先順位順に並べてあります。

まずはストロボから

まずはストロボの調整で明るさを変えます。
ストロボの出力つまみで暗く・明るくすることができます。

光の当たる範囲

ストロボと商品の距離でも調整ができます。
具体的にはストロボを商品から離すと暗くなり、近づけると明るくなります。
(上の写真はカメラ・ストロボの設定は変えず被写体とストロボの距離のみ変えています)

この際ストロボの距離で明るさの調整をする場合には光の当たる範囲が変わってしまうことを注意してください。

カメラが後回しな理由

なぜストロボの設定が後回しなのかはそれぞれに理由があります。

  • 絞り(f値)を変えると被写界深度が変わってしまうから
  • ISO感度のを高くするとノイズが出てしまうから

被写界深度というのは簡単に言ってしまうと「ピントの合う範囲」のことで絞りが大きいとよりピントが合う範囲が広く、小さいと狭くなります。
絞りを小さくすることで一部意外をぼかして撮影をすることもできますが、通常の商品撮影ではあまり使いません。(イメージ撮影では使います)

回折現象もありますので大きくしすぎるのもよろしくないのでf8~16程度を基準に考えるとよいかと思います。

ISO感度を上げるとノイズが出て細部が潰れてしまい商品のディティールを綺麗に表現できなくなりますが、少し上げるくらいでは見た目はさほど変わりません。
最近のカメラならISO400程度までならほぼ変わらないでしょう、状況によって使いわけですね。

明るさの調整

白い商品

ということで明るさを調整し改めて撮影をしてみました。
左のストロボを1/4に右を1/8にしました。

白い商品1灯撮影

みなみにこちらが左のみで撮影したもの。
白い商品は陰影が重要なので思い切ってライトを1つで撮影することも必要です。

と、いうことで。
次回はストロボを使った陰影表現の色々を説明したいと思います。

更新日については、やはり未定で。

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