商品写真撮影「立体感を演出する」必要性とは

ビールマグ、商品撮影セット例

簡単撮影キットというのは大抵「白で囲う事で、全体にムラがほとんど無く撮れる」ように出来ています。
これは言い換えると「平面的で立体感の乏しい写真」と言えるでしょう。

なんでも無難で同じように撮れるのがこういう商品のいい所なので文句はありませんが。
無難で同じように撮れるということが「奇麗な写真・商品の良さが伝わる写真とは必ずしも言えない」という事も少し知っておいていただけるともっと商品の良さをアピール出来るようになるかと思います。

商品は立体です

商品の良さを見せる為には商品の「立体感」が重要です。

メイクでも鼻を高く見せる為にシャドーやハイライトをいれてより立体感を強調したりしますよね、より魅力的に見せるのに立体感はかかせません。

メイクや絵は立体的にするために技術や知識を使い、手間をかけます。
写真も同じで、ライティングの技術や使用するレンズを使い分ける事で立体感を演出することができます。

立体感を演出する

写真で立体感を演出する方法は大きくわけて2つあります。

  • レンズ・カメラ位置
  • ライティング

です。

レンズ・カメラ位置を工夫して立体感を演出する

カメラ位置による立体感の演出

この写真は両方同じiPhoneで撮影しました、左に比べ右の写真のほうが立体的に感じると思います。
というよりも・・・右のほうが「ダイナミックで大きく見える」のではないでしょうか。

広角レンズを使いパースをつける

レンズには「広角レンズ」と「望遠レンズ」があります、望遠レンズよりも広角レンズはより幅広い部分を写し、そしてパースペクティブ(遠近感)が強調されます。

パースが強調されるレンズは被写体が歪んで写るので商品撮影にもあまり使われませんが、遠近感を強調し「立体感を演出」するときにはたまに使われます。

カメラ位置

しかし広角レンズを使うだけではほとんど効果が現れません、もう1つの要素として必用なのが「カメラ位置」で以下のように撮影します。

  • 被写体(商品)に出来るだけ近寄る
  • 出来るだけ下から上に向けて見上げるように撮影する

左の写真と右の写真で何が違うといえばこの点です。
左は商品よりも少し上から見下ろすように撮影しています、逆に右の写真では見上げるようにして撮影をしています。

ちなみに昔流行った動物の「鼻デカ写真」も広角レンズでグッと被写体(動物)に寄って撮影しています。
鼻デカ写真の場合は上から見下ろすように撮影します、つまりはカメラから遠くなるにつれて小さく表現されるということなのですが、わかるでしょうか?

同じレンズで撮影をしていても使い方によってはこんなにも写真は変わってしまいます、それを演出として使いこなせるのが「プロカメラマン」ですw

注意すること

ただ形をきちんと伝えるという点を考えると多用は厳禁な方法です、この方法で撮影をすると形が歪んでしまいますので正しい形が伝わりません。

イメージ写真でこの方法を使い、商品の説明写真では形がきちんとわかるように撮影するのが基本と考えたほうがよさそうですね。
カッコイイからといって多用してはいけません!

ライティングで陰影をつけ立体感を演出する

レンズ・カメラ位置で立体感の演出することは商品の形を伝えるという点ではあまり向いていないと説明しました、ではどうしたらいいかというと「ライティングで陰影をつけて立体感を演出」します。

明るい部分から暗い部分のようなグラデーションをライトで作る事で立体感を演出することができます。
単純な話が、簡単撮影キットとは正反対の撮影方法ということですね~。

一方向からの硬めの光を当てる

撮影方法による陰影の違い

こちらの写真は左が「陰影をつけた撮影方法」で右が「簡単商品撮影キット」を再現した写真です。
右の写真は柔らかく平面的な写真になっているかと思います。

硬めで一方向からの光を当ててあげると陰影が付きます。
ガチガチに硬い光だとやりすぎる事が多いので、レフ板等で少しだけ和らげてあげるのがコツでしょうか。 (こちらの写真ではレフ板を使っていません、陰影がわかりやすいように撮影したつもりですが・・やりすぎですねw)

ちなみに、左の写真は「ソフトボックス」で撮影しました。
ソフトライトBOXのようなライトボックス・ソフトボックスと呼ばれるようなディヒューザー付きのボックスはプロもよく使う機材で組み立ててしまえば取り回しもしやすく光の硬さも使いやすいぐらいなので、便利ですよー。

ビールマグ、撮影例・詳細カット提案

先ほどの写真は陰影がつきすぎでしたので、レフ板で調度良いぐらいに調節してみました。

いかがでしたでしょうか。
カメラ位置はともかく、ライティングで立体感を演出するには簡単商品撮影キットを使って撮影するのでは難しい写真でした。

ちなみに今日の商品は「フタ付きビアマグ」で、プラハの観光地が四面に施されています。
こういう特徴の沢山ある商品は、商品写真で特徴をきちんと抑えてあげる事が必要ですよね。

 

後、全く関係ないのですが。
簡単撮影キットって青い背景紙とかついてきますよね、商品の色青くなるのって皆さん気にならないのでしょうか?

Follow me!

商品写真撮影「立体感を演出する」必要性とは” に対して1件のコメントがあります。

コメントは受け付けていません。