自動画像処理サービス「Autoism」を試す!
皆さん切抜き処理してますか?
頭空っぽにして一日中切抜きをやるのも嫌いではないのですが・・忙しい時期には時間がかかる作業なのでさすがに面倒と感じてしまいますよね。
切抜き処理を簡単にしたい!というわけで今回はクラウド型全自動画像処理サービスAutoismを試してみました。
こちらのサービスはクロマキー合成を利用した切抜き処理をしてくれるサービスです。
ちょうどグリーンの背景紙を持っていたのでいくつか撮影をして、実際にAutoismで切抜き処理をやってみました!
はたして切抜き処理は便利になるのでしょうか?
Autoism利用手順
利用手順は以下の通り。
- Autoismのアカウントを作成
- Microsoft OneDriveをアクティベーション(アカウントが無い場合は新規作成)
- OneDriveの指定フォルダに画像データをアップロード
- Autoismでポイントを購入
- 処理内容を設定し実行
- 処理完了後にメールで通知
- OneDrive内から処理済みデータをダウンロード
処理時間は1データ1分かからないくらいでした。
おそらくサーバの混み具合によっても前後するでしょうね。
処理前と処理後を比べてみる
サンプルとして以下の被写体を撮影しました
- 白い商品
- 黒い商品
- 多色商品
- 反射物
- シャツの平置き
陰影の強さを変え撮影。
影の強さやコントラストで切抜き処理がうまくいくかどうかをテストします。
いつもより大きめのデータをアップロードしていますのでクリック・タップして大きめのデータで確認できます。
白い商品
左から右に向かって陰影(コントラスト)が弱くなるよう撮影をしました。
上段が撮影そのまま、下段がAutoismで処理をほどこしたものになります。
白い商品は背景紙の色をモロに受けてしまうのでクロマキー処理は難しいだろうと思っていたけど・・・やはり難しかったようです。
3番目のコントラストを弱くしたデータについてはそこそこいい具合に処理出来ているが底部分の影付近が欠けてしまっているのと、背景と少し色が似ている黄色い部分が欠けてしまった。
1・2番目に関しては背景紙に近くて影が強い部分が欠けた。
影の部分はグリーンになってしまうので仕方ない・・。
ちなみにこの商品、電子レンジでゆで卵を作る商品でございます。
うちの撮影スペースはガスが無いので重宝してます。
黒い商品
さて、今度は黒い商品ということでカメラを撮影してみました。
先程と同じく左から右へコントラストが弱くなっていきます。
全体的に綺麗に切り抜けていそうですね。
3番目になると底の影も切り抜けていてなかなか良いのではないでしょうか。
ただ細かい部分を指摘するとしたら、拡大してみるとカメラ上部の液晶やホットシューのような背景色が写り込んでいる部分は消えてしまったのが惜しい。
ちなみ被写体は高級文鎮(壊れたカメラ)。
色んな色が混ざった商品
持ち手の色が違うドライバーセットを撮影。
背景紙の緑と似た色はなくなってしまうようです。
緑のドライバーは消えるだろうと思っていたのですが、黄色も消えてしまった。
コントラストが弱い・強いどちらの写真も影が中央に集まってしまっているのでクロマキー合成をするのには難があるデータだったかもしれません。
俯瞰で多数の商品を並べる場合にはなかなか難しそうですねぇ。
反射物
カメラでも反射している部分がありましたがこちらは全体が反射するスチール製のクリップを撮影しました。
左奥のクリップは完全に存在がなくなってしまっています。
反射物はやはり難しいようです。
シャツの平置き撮影
シャツの平置き撮影をしてみました。
コントラストの強い・弱いにかぎらずそれなりに綺麗に切り抜けているのではないでしょうか。
ただ左のデータに関しては当たっている光の差が激しいので左上に背景が残ってしまいました。
背景はできるだけ濃淡が無い方が綺麗に切り抜けるようです。
使ってみた感想
使ってみて感じたのは
- 薄い色の商品はあまり向いていない
- ライトはコントラストが低く淡い写真にしたほうが良い結果が得られやすい
- 複数並べると影が多数できてしまうためうまく切り抜けない
- できるだけ影を出さないような撮影を心がける
ということでした。
薄い色の商品に関しては、以前クロマキー用の撮影で気をつける部分を紹介しましたがその内容でも対応できそうにありません。
(色背景を使う際のデメリット「色カブリ」を抑えるには?)
以前Photoshopのプラグインでクロマキー処理をした時はパラメータを操作することでうまいこと切り抜けたわけですが、そういう細かい点がAutoismでは設定できないので対応ができない。
(効果が強すぎる感じがする)
良くなかった点・面倒だと思った点
いくつかよくなかった・面倒だなと感じた点はというと・・
細かな設定がないので対応できないデータがある
ようは薄い色などですがパラメータの設定である程度マシにすることは可能なはず。
なので細かな設定があるといいなと思った。
薄い色・濃い色でわけるだけでもかなり違うのではないかと思うんだけど、どうかなぁ。
データの受け渡し方法が面倒
データの受け渡し方法はMicrosoftのOneDriveというクラウドサービスを使うわけですが、正直好きではありません。
クラウドはとても便利でいいのですが俺はDropbox派なのです!
Dropboxがいいのになぁ。
クラウドのストレージサービスは複数持つのは嫌だなぁと感じるのは俺だけなのだろうか。
データが縮小されてしまった
最大解像度は「6,000 x 4,500px」まで対応するらしいのですが今回「6,000x4,000px」のデータをテストしたところ「3464x2309px」に縮小されてしまいました。
バグなのかな?
良かった点
金額が安い
先払い方式なので少々高く感じるかもしれませんが最初に500,000ポイントを購入することによって1データにつき10円で切抜き処理が利用できます。
1データ10円は自動処理とはいえとても安いですよね。
もともと1データ50円なので安めの価格設定ですが10円なら「とりあえず試す」程度の使い方もできる金額ではないでしょうか。
ただグリーンバックで撮影してしまうと切抜き処理がうまくいかなかった場合、撮影をやり直さないといけないので結果的には「効果的に切り抜ける商品かどうかを判断する」必要はありますね。
一括処理が素晴らしい
沢山のファイルを一括でクロマキー合成ができるということがとても良いです。
クラウドを使った自動切抜きというところがウリのサービスらしいのですが、個人的には一括でクロマキー合成ができるのが良い点だと思うのですがいかがでしょうか。
総括
便利なサービスではあるのですが全てのデータで使えるというわけではないので現状俺は使うことはないですかねぇ~。
安いとはいえグリーンバックで撮影してしまうとクロマキー処理以外の選択肢がなくなってしまうのでかなりリスクが高いんですよね。
グリーンバックで撮影した写真を通常の手作業切抜きをするとこうなります。
こうなると再撮影する以外に方法がない。
クロマキー合成について
クロマキー合成というのは特定の色を透明にして他の色や画像に置き換える処理のことをいいます。
特定の色というのは緑(グリーンバック)もしくは青(ブルーバック)を使うのですが、特定の色を置き換えるわけなのでグリーンバックで緑色の被写体を撮影すると被写体も消えてしまうのです。
緑色の被写体の場合はブルーバックを使い青色の被写体の場合はグリーンバックを使うことで消えてしまうことを防ぐわけですが、緑と青両方が同じ被写体にある場合はどちらかが消えてしまう事になります。
今回撮影した白い商品(ゆで卵作るやつね)は黄色の部分がグリーンバックと相性が悪かったのでブルーバックで撮影することである程度うまくいきそうです。(ブルーバックを持っていないから試していないけど・・)
ただドライバーセットに関しては青もあるし緑・黄色もあったのでブルーバックでも対応できないでしょう。
クロマキー合成は背景の色が一定であるほうが綺麗に切り抜けるので、背景と被写体は離して撮影したほうが良い効果が得られます。
背景に被写体がくっつくことによって出来る影は綺麗に切り抜けない原因になりがちなので、そもそも商品撮影はクロマキー合成は不向きではあるのです。
ただ期待はしている
商品撮影でクロマキー合成は不向きではありますが、状況が揃えばとても便利な技術です。
クロマキー合成のソフトは高価なのでAutoismはクロマキー合成を試してみるにはとても良いサービスかもしれません。
とはいえ簡単・低料金で切抜きができるサービスでありながらある程度の知識・経験が必要になってしまうのはなんとももどかしいところです。
切抜き処理はただただ時間がかかる作業なので自動でできるようになると良いんですけどねぇ・・・今後に期待してます。
〆
このサービスは11月1日放送のガイアの夜明けで紹介されていたのですが、実は俺も一瞬出ていました。
というのも運営会社から「協業のお願い」というメールをいただきまして、その打ち合わせをした際にテレ東のテレビクルーも一緒についてきまして打ち合わせ風景を撮影したのでそれが番組に映りました。
番組では1秒にも満たない本当に一瞬映っただけで私のことは紹介はしてもらえませんでした・・残念。
テレ東のディレクター感じ悪かったなぁ、運営会社のほうも打ち合わせ以降何も連絡くれないし1時間以上話しした上にテスト撮影もさせられたのにと~っても残念な気分です。
ブログのネタとして使えたから、まあ良いかw
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