スチールカメラマンが考える LED照明機材

スチールカメラマンが考える LED照明機材

動画を撮るようになって照明機材を改めて考える機会が増えました。
いつもは商品撮影にストロボを使っているわけですがストロボは一瞬の光なので動画では使えないのですよね・・。

動画で使える照明機材は瞬間光(ストロボ)ではなく定常光ですが、定常光にも色々と種類がありまして一番身近なところだと蛍光灯ですね。
そして、昨今色々なところで活躍しているLEDも定常光です。

撮影用の定常光というとLEDがかなり流行っているようで去年はいくつか購入しました。
で、購入する時にいつも気になるっていたのが「ルーメン(lm)とルクス(lux)表記があるけどバラバラでよくわからん」ということだったんですね。

ストロボだとワット(W)である程度明るさの基準がわかるんだけど・・定常光はいまいちわからない。
そんなこんなで「とりあえず色々買ってみっか」てことでいくつか購入したわけです。

購入したLEDの照明機材3つ

照明機材

左から

  • 039 Sh50Pro-V
  • YONGNUO YN600L
  • Godox SL150W

です。

機材名 消費電力 ルクス ルーメン 演色性 色温度
直管形LED 15W 2150lm Ra80以上 5000K
Sh50 50w 3750lm Ra95 5500K
YN600L 36w 2700lux(1m) 4680lm Ra95 5500K
SL150 150w 7200lux(1m) Ra95 5600K

カタログだと上のような仕様でした。

YN600Lだけルクスとルーメンの情報が揃っていますがこちらはいくつかのサイト・ショップを回って集めてきた情報です、多分あっているのではないかと思います。

直管形LEDについては事務所についている照明です。

事務所照明:直管形LED

照明1つに2本入っています。

光量・色温度を計測

というわけでそれぞれ光量と色温度を計測してみました。
使ったのが写真でもよく使う露出計・カラーメーターと照度計を使って計測しました。

商品との距離は2mくらいにすることが多いかな?と思ったので計測距離は2mとしました。

光量・色温度チェック

機材名 ルクス 絞り 色温度
直管形LED 189 lux f4 4700K 1M
Sh50 142 lux f2.8半 5090K
YN600L 367 lux f4半 5430K
SL150W 1121 lux f8半 5440K

露出計についてはISO800 シャッタースピード1/50で固定としました。

ちなみにストロボで150wくらいに調節するとだとf32になりました。
やっぱストロボは便利だなぁと再確認w

演色性チェック

照明機材の光で被写体を照らすときに、自然光(太陽)で照らして撮影したときの色をどれだけ再現できるかというのが「演色性」だそうです。
Wikipedia:演色性

自然光を100として近ければ近いほど演色性が高いと評価され、一般的にはRa80以上が演色性が高いとされるそうです。

今回用意した照明機材は全てRa95ですが事務所の証明が直管形のLEDでRa80以上と記載があったので比べてみたいと思います。
(Ra80以上、という記載はよくわからないけど少なくてもRa80はあるってことだろうw)

演色性チェック

光の当たり方に差があるので言い切ることは難しいような気もするけど・・事務所についてる直管形LEDは色がくすんでいるように感じますね。

発光部分の個数によって変わる影の出方

演色性チェックをした写真の影の出方に注目してください。
YN600Lが一番わかり易いのですが、影がぐちゃぐちゃしてますよね。

それはLEDの球が沢山ついていることによって影が複数出てしまっているためです。
発光部分が複数あると影が沢山でてしまう、影の出方を考えると発光部分は1つが綺麗ですね。

SL150wについては発光部分が1つなのですが、リフレクターの反射光が強いので影が2つ出ているようです。
リフレクターを外すことで影が1つになります。

SL150Wリフレクターチェック

こんな感じ。

SL150Wは光量もあるしこういう高コントラストで影をバキっと出したいときにも使えるのがいいですね。
本体が凄くでかいので外に持っていくのは結構手間ですが・・室内で使うにはかなり便利です。

Sh50は影が1つな上に影の輪郭がぼやけているのでこのまま使うのならかなり使いやすいのではないでしょうか。

照明の当て方とオススメ機材

サンプル動画を作るにあたり被写体になってから気づきましたが、LEDライトってすげー眩しいのです。
柔らかい光にするためにトレペ・乳白アクリルをつけて使っていますが、それでもまだまだ眩しいんですよね。

 

というわけでバウンス光で撮影がオススメです、かなり目に優しくなるし柔らかく使いやすい光になります。

やり方としては壁や天井にバウンスさせても良いのですが色付きの壁だったり高い天井の場合にはバウンスはやりづらいので、カサバンがオススメです。

カサバンというのは照明機材用の傘(アンブレラ)に光をあてて、傘からの反射光で被写体を照らす方法です。

写真撮影用のストロボにはたいていアンブレラを支えるホルダーがついていますが、動画撮影用の定常光にはついていないことが多いので注意してください。
別途ホルダーを購入して取り付けることも可能な商品もありますが取り付けられないものもあります。

Sh50の場合「電球ソケット」

Sh50のアンブレラホルダー

Sh50は電球と同じ一般的なE26ソケットを使っているのでホルダーは沢山売られています。
そんな中にアンブレラを取り付けられるホルダーが売っています。

使っているのはこちら。

YN600の場合「ネジで固定」

YN600は1/4インチのネジで固定ができます。
普通のカメラ用雲台を使ってもいいのですが、それではアンブレラが使えないので「1/4インチネジ固定」かつ「アンブレラホルダーが付いている」ものが便利です。

YN600 をスタンドに立てる

使っているのはこちら。

これはスピードライト用として売られていますが、ホットシュー部分が外れるのでそこに取り付けています。
パン棒もしっかりしているのでオススメ!

ちなみにYN600のバーンドアの下側を外しています。

SL150Wはそのままで

SL150 のアンブレラホルダー

SL150はいわゆるモノブロックストロボのような形をしているのでアンブレラホルダーが最初からついています。
またボーエンズマウントがついているのでソフトボックスを使うこともできます。

 

SL150は色々な表現ができるので面白いです。

照明の駆動音

インタビュー撮影など音声の収録するときに気をつける必要があるのが照明機材の駆動音、冷却ファンの音ですよね。
今回わざわざ騒音計を購入して測ってみました。

騒音チェック・通常時

さて、まずは通常時です。

左がエアコンを切った状態での室内の測定値です。
真ん中がエアコンをつけた状態でエアコンより30cmくらいで測定。
右が窓を開けた状態で窓際から外へ向けて測定。

うちの事務所って窓を開けるとそこそこ煩いんですよねー。

次からは照明機材の騒音レベルを測っていきます。
ちなみに距離は同じく30cmくらいです。

039 Sh50Pro-V

騒音チェック Sh50

まずSh50、左が光量最弱で右が最強です。
まぁ、誤差範囲ですね。

YONGNUO YN600L

騒音チェック YN600

次にYN600。
こちらも光量差ではファンの音は変わらないようですね。

そもそもYN600は付けた当初はファンが回っておらず、最初は無音です。
熱が溜まってくると回り始めるのでしょうね、回り始めるのにさほど時間はかかりません。

Godox SL150W

騒音チェック SH150

最後にSL150、こちらは光量によってファンの回転数が変わるようです。
若干うるさくなっていますね。

 

というわけで測ってみましたがいかがでしょうか。
一番ファンの音が大きかったのはSL150でしたがエアコンよりは静かなようです。
(ちなみに事務所についているエアコンは家庭用よりも若干煩い)

Sh50は小型で光量もそれほどでもない割には煩く、YN600が一番静かでした。
といっても静かな部屋では音は感じられますね。

音声の収録が必要な動画撮影ではエアコンすら止めて撮影するくらい、気をつけるようですが・・・正直気になったことがないんですよねぇ。
耳が悪いのかな?w

年末年始のゴタゴタが続いているのかクライアントの連絡がうまくつかなかったり商品が送られてこなかったりで暇になってしまったのでブログを更新しました・・w

今年の1月は時間がとれそうなので色々と遊びたいなー。

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